蒲鉾と水

 かまぼこを作るには、まず、魚を三枚におろしてから、皮をむき、肉だけにします。この魚肉を水に浸けかき回し、しばらく置いてから上に浮いてくる油や血液などを上澄みと一緒に捨てます。 これを数回繰り返し、その後余分な水をしぼります。この作業を『さらし』とよびます。 これは、単に油などを除くだけでなく、かまぼこのもつあの独特の弾力を増すための重要な工程なのです。




 そしてこの作業は大量の水を使うため、その水の性質ができあがるかまぼこに大きな影響を与えています。さらしに使われる水は、カルシウムやマグネシウムを適度に含み、やや硬度が高い天然水が使われていますが、まさに小田原蒲鉾のいのちです。 この水とよい原料魚があって初めておいしい小田原蒲鉾ができるのです。